やった。
ついにやったのだ。
かねてから予定していたとおり、職場の直属の上司である課長に、退職願を手渡してきたのだ。
アナザーXデー。
2022年2月17日木曜日の午前7時53分。
始業(8時半)前の早朝の時間帯で、まだ課長と私以外には誰も来ていない。
折りからの積雪が約10cmほどあり、普段は8時10分頃に来る課長が今日に限って割と早めに出社してきていた。予想はしていたがこれもミッション成功要因の一つだった。
始業前の毎朝の習慣としてカウンターを拭き掃除している課長。
以下の会話は、懐に忍ばせておいたICレコーダーの文字起こしである。
私:おはようございます。
課長:ういーっ。おはよう。
私:積もりましたね。
課長:まあでも思ったほどではなかったね。
私:そうですね。はい。でも僕の家の庭と比べてこっち(職場)の方がちょっと多い感じがしました。
自席にかばんを置き、退職願を懐から取り出す。
そして課長に話しかける。
私:課長、すいません、あのう、お話がありまして。
課長:うんうん。
私:えっとね、あのう、突然なんですが、ええ、今年度一杯でちょっと、退職したいと思いまして。
課長:えっ!何で!ヤマちゃん(私がそう呼ばれている)が!?何で!?
私:退職願を書いてきました。
課長:えっ、何で??
私:えっと、起業しようと思ってまして。
課長:おっ!ホント。何の起業するだ?
私:えっと、農業関係、あとイベント関係で。大変突然で申し訳ないんですが。
課長:えー!マジで。すごい。1人で?誰か一緒に?
私:まあ仲間はいるんですが。
課長:あ、ホント。へー!すごいなあ。
私:4月30日で書いてきて。僕の希望としてなんですが。今後総務課とですね、またちょっと、あの、人のいる所では話が出来ないので、また、会議室とかで話し合いの場を設けていただいたらと思いまして。
課長:ホント!それはまだ誰にも言ってない?
私:はい。
課長:マジで!?ホントか。それって、僕がもらうだかいな?
私:で、課長にお預けして、まあもちろん社長名で書いてありまして。
課長:いやあ、もらいたくないけどなあ。
私:一大決断しまして。
課長:前からそういうことを考えとっただ?
私:はい。
課長:とりあえず預かっとくわ。うわあ。そげかあ。寂しいがなヤマちゃん!それは。へえ、そうなの。
私:これで(会社に勤続)丸20年になるんで。
課長:農業・・・
私:具体的にいうと、ブルーベリー観光農園を立ち上げようと思って。
課長:どこに?
私:大山です。
課長:何か(大山周辺には他にもブルーベリー農園が)あるな。そげかあ。それはびっくりしたわ。(会社の)中の人と一緒にやってるとか?
私:中の人ではなくて、全く外部の人たちとです。
私:でまあ、会議室に行く時は、連れ立って歩いて行くと何事かと職場のみんなに思われるんで、(課長:ハハハ笑)課長だけ先に歩いていって、時間差をおいて僕がちょっと「総務課に行ってきます」、とか言えばバレないと思うんで。
まああまり長時間はできないと思うんですが30分程度で、ちょっとその辺ご配慮いただいて。
課長:じゃあ、今日でも一緒に・・・?
私:今日でも明日でも、総務と都合をつけて話し合いをさせてもらったら。
もうすぐ部長も来られると思うんで、部長によろしくお伝えください。
親にも話してあります。
親もまあびっくりしてました。
まあ、こんな話をすると誰でもたぶんびっくりすると思います。
課長:これ何年も前から温めとっただ?
私:そこまで何年も・・・ってわけではないですが、ちょうど去年そういったきっかけがありまして。今起業の色々と勉強してるところでして。
私:4月30日というのは、一応3月31日で実質的に来なくなるんですが、4月の1ヶ月は有休消化させてもらえないかとお願いしようと思って、はい。そういう事です。
課長:だったら3月の送別会ヤマちゃんも入れてもらわんとな。
私:そうですね、ちょうどT部長も退職されますし。(すでに定年退職予定者の送別会が組んであったのだ)
私:今後は自分の夢を追い求めようと思いましてね。まあ詳しい話は会議室でとは思っているんですが、私の同級生で教員をやっている人も、今年度で退職するんですよ。その人に触発されたってのもありまして。
課長:へぇ〜。
私:最初はそこの相談室でお話ししようと思ったんですが、あそこって(しゃべってる)声が丸聞こえじゃないですか。だからちょっとそこはまずいなと思いまして。第一会議室とかでお願いしたいと思います。
課長:うちのいとこがブルーベリー系のサプリを作る会社で働いてるわ。フィンランドとかに出張したとかいう話もしてたわ。
私:へえー!北欧はベリー類の栽培してるって言いますもんね。
僕も昔は目が悪かったんで(10年ほど前にレーシック手術で視力回復して今は裸眼生活だ)そういう目にいい食品に前から興味があったんですよ。
やがて、雪かきのためやや早目に来た職員の姿が見えた。
自分のパソコンを起動してから、「じゃ雪かき行ってきます!」と出かけた。
・・・これが私の退職願提出の一部始終である。
雪かきから戻ってくると、同僚たちも出勤してきていた。
私は何食わぬ顔で普段どおり仕事をした。
ちょっとテンションが上がっていて、窓口対応の声が幾分威勢よくなっていた気がする。
早ければ今日にでも、総務との話し合いがあるかとも思ったがその日はひとまず何事もなかった。
まあ、上の人も色々と忙しいだろうから仕方あるまい。
とはいえ、あまり悠長なことも言っておれない。
来週になっても何も音沙汰ないようなら、課長のケツを叩かねばならん。
どうしても課長が牛歩戦術とかで上に話をつないでくれなければ、「プランB」発動も視野に入れねばならぬ。
総務部長に直接退職願を渡す強硬手段だ。
まだまだ戦いはこれからである。
とはいえよくぞやった!
朝イチで課長に退職願を差し出すという離れ業をやってのけたのだ。
自分自身を褒めちぎりたい。
これで私の未来が一歩また前進した。
初稿220218
投稿220218
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