というか、取っ掛かりがタダだから、タダならちょっと気楽に入ってみようかな、と思うのが大衆心理というものである。
むしろ得体の知れないものに最初から大金を投入する人はそうそういないし、そんな人を相手にするビジネスが成り立つのは限られた世界だけだ。
そこで、我々持たざる者はどう戦うか?
持たざるお客さんを集めて贔屓にしてもらうにはどうすれば良いか?
まずはタダで出すのだ。
これでもかというほどタダで放出する。かなり価値あること、それこそ有料でいいくらいの、すごい価値提供を無料でする。
これはより多くのお客さんに価値提供した方がいいため、物理的にやるのも良いがどちらかと言えばスマホ一つで簡単に入手できるような形の方が、より広まりやすい。
ここまで聞くと、「そこまでやって委員会!!」という気がするが、それでいいのである。
一つ重要なことを覚えておこう。「人間の欲望は限りがない」ということだ。限りなく深いブラックホールに、どれだけせっせとエサを投げ込み続けたところで、それでもう一杯、満足!になるところがない、ということだ。
もらえばもらうほど、「もっともっと!!」となるのが、欲望の本質である。
顧客をその状態、つまり「もっともっと!!」の限りない欲望が発動した状態にまで持ってくることができればしめたものだ。
あとは、多少お金を払おうが、他のお客さんと取り合いになろうが、我先にと飛びついてくる、釣りで言うところのエサを撒いて狂喜乱舞する魚のような顧客を手にしたことになる。
こうなれば、あなたが出す物は猫だろうが杓子だろうが壺だろうがとにかく何でも売れる。
こんなガラクタが売れるものか、と本人が思っているようなものでも、なんて貴重な初期の傑作だ!とか何とか言ってマニアコレクターの間で高値で取引されたりして、さらにあなたの人気は加速していく。
人気商売とはそういうものだ。その人自身はある程度仕掛け人として初期ファン層を作り出していけば、あとはファンが自ら熱烈に活動し始めて、どんどん周りを巻き込んでいく。
ブームはさらに加速する。とんでもない数の人間があなたのファンになる。
なぜそんな現象が起きるかといえば、それはマジックでも何でもない。
自然現象なのだ。
台風と同じようなものだ。
最初は赤道直下の海面上にできた小さな渦巻きが、だんだん勢力を拡大して低気圧に発達する。そうして周りの空気を巻き込んでさらに巨大化し、台風と名を変えて縦横無尽に嵐を吹き荒れさせる。
そう、だから自然現象なのだ。ブームが巻き起こるのは自然界でも人間界でも同じことなのだ。
やがて勢力は衰え、消滅するという点に関しても、自然現象なのだから同じような命運を辿る。
この人生、一花咲かせようではないか。
初稿221011
投稿221020
今日のひとこと
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