なぜ退職交渉は報告のスタンスでなければダメなのかを説明するために、まずはやりがちなダメなパターン・・・退職を「相談する」というスタンスをみてみよう。
「実は・・・ご相談があるのですが・・・退職しようと思いまして・・・」
「なんだってー!!いいか早まるな。落ち着け!話せばわかる!何が不満なんだ。できる範囲で改善するから!」
・・・こんな風に、退職を相談するというスタンスだと、交渉の余地ありと思われて引き留め作戦にハマってしまうのだ。
どうしてこうなった?
基本的に会社は、あなたが自己都合退職するのを快く思わない。
かけがえのない、貴重な社員を失いたくない、というのは表向きの理由。
指示に黙って従い、飛び抜けて優秀でもない代わりに際立って無能でもない、そんな手頃な給料でこき使えるあなたという労働者を手放すのは惜しいのだ。
折角何年も経験を積んでいるから、今更新しい人を採用するよりこのままずっといてくれた方が好都合なのだ・・・というのがダークサイドの理由だ。
となると会社側のとる行動は、引き留め工作にかかる、これしかない。
あなたがステップアップ転職や起業を考えて退職しようとするなら、きっと普段の仕事もそつなくこなす、いわゆる並みレベルよりは使える社員であろうことに疑いの余地はない。
無能社員ならば、折角の職場にしがみついていたいからだ。
そうして会社側はあなたが会社に対して感じている不満や改善点がないかなどと、根掘り葉掘り聞いてくるだろう。
そしてそれにあなたが律儀に「そうですねえ、ちょっと残業続きなところとか」などと回答したが最後、会社側はとにかくあなたを引き留めたいからちょっと良さそうな提案をしてくるに違いない。
昇給させるとか、もうちょっと残業の少ない課に回してやるとか、アメをちらつかせる。
あるいはそんな転職とか起業とか絶対失敗するからやめておけとムチを見せて脅すなどあの手この手であなたを引き留めにかかる。
どうでもいいではないか、私が去った後の会社がどうなろうが。知ったことではない。
残った人が好きなようにやったらよい。
私は不満があるからやめるのではないのだ。
他にやりたいことが見つかったからやめるだけだ。
だからどんな好待遇を用意されようが関係ない。
ゆえに、退職する会社に「相談」することなど何もなく、ただ単に「退職します」と報告するだけで事足りるのだ。
ついでに「退職願」を自筆で作成して提出すれば完璧だ。
そうすれば、さしもの会社側としても「こいつマジだわ。何言っても効果ないわ。こうなったら穏便に引継ぎを終わらせて去ってもらい、次の新規採用職員の育成に注力した方が賢明だわ」と思ってくれるというものだ。
それでは、報告するには自分がどのような状態になっていたらいいか?
それには、退職する確固たる決意と、退職後に何をするかのプランが固まっていることが必要だ。
退職退職と喧しいが、本当に一番大事なのは退職してからどうするかではないか。
退職は、確かにかなり厳しい関門だ。
それだけに、私も何とかこれを潜り抜けるために日夜研究と準備を重ねている。
退職は厳しい関門には違いないが、これをいったん抜け出てしまえば後はきれいさっぱり忘れ去ってもいいくらいのどうでもいい出来事に過ぎない。
問題はその後である!
退職後にどうするかの計画を事前に綿密に立てておくことによって、安心して退職することができるというものではないか。
入念に計画せよ!!
211126
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