権利の話はどんどんしていい。権利を行使することをためらうな!!
「権利権利って、がめつい奴だな。守銭奴め!」
・・・こう言う人は「御恩と奉公」を金科玉条の如く考えておられるのだろう。
気持ちはわかる。「上」や「周り」に忖度して、有給休暇を取りたくても取れない人が多いのも知っている。
だが法は、権利の前にあぐらをかく者、つまり権利があるのに行使しない人を救済しないのだ。
時効制度とは、まさにそのためにある。
違法状態でも一定期間それが続いた場合は時効が成立して、適法状態となるのだ。
例えば自分の土地なのに他人が占有している。その状態を放置して10年(悪意の場合には20年)が経過し、そこには不法占有者が建物まで建てて住んでいると、その土地は時効取得できるのである。(民法)
ましてや有給休暇取得権は2年で時効となる。
つまり、最初の1年で取らなかったら翌年に繰越になるが、翌年も取らなかったら時効で3年目には消滅してしまうわけである。
最初から無かったことになってしまうのである!!それも合法的に!!
経営者が「しめしめ」としたり顔をするのは、まさにこの従業員の有給が消滅する瞬間であろう。この時点で完全合法的な労働時間の搾取が成立するのである。
会社が本来は勤務を免除した日が最大年間20日(繰り越した場合は最大40日)あるにも関わらず働いてしまったということだ。言ってみれば、働き損なわけだ。
私の場合、有休をドブに棄ててきたことで一体いくら損をしているのか、ごく単純に計算してみよう。
20年勤めてきて、2年以降は時効になるから18年間、まあ少なく見積もっても毎年10日は有休をみすみす捨てている。よって、180日有休を捨ててきたことになる。
私の年収が500万円である。年間の勤務日数は月22日×12月=264日。
ボーナス(約100万円)も含めて考える。
500万円÷264日=約18,000円。
つまり捨てた有給の金額換算価値は18,000円×180日=324万円にもなる! !
まあ、年収500万円というのは20年働いてようやく到達した年功序列賃金の限界値であるから、若かりし頃の有給の価値はもっと安かっただろう。それにしても、である。
有給を取らせないのは、労働基準法第39条に違反する、明白な違法行為である。
ゆえに、権利は堂々と主張していかなければならない。
初稿211227
投稿220225
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